死ぬ前に書きやがれ

文章を書きたい30歳会社員。音楽とお笑いが好きなので主にその話。時々、感じた別のことも。

2018/6/30 スクービーとスクービー@姫路Beta

結成23年目、ロックバンドSCOOBIE DO
「LIVE CHAMP」と異名がつくほど、毎度ライブで“最高沸点”を記録していく彼ら。

1995年に結成し、一時メジャーレーベルに所属するものの、2016年7月1日には自主レーベル“CHAMP RECORDS”を設立。
そんな設立記念日の前日、姫路にて久しぶりに行われたライブは、題して「スクービーとスクービー」
CHAMP RECORDS設立前・後のスクービーが対バンをするという意表を突く、且つどのようなライブになるのか予想ができないものだった。

姫路駅を出たらすぐ現れる商店街。
その一番奥の奥。一瞬見逃しそうな看板を目印に地下へ。眼前には姫路城。
予兆が全くないところに突如現れる姫路Beta。
こんなところにライブハウスあるんや…という場所に続々集まるPLUS ONE MORE。
7月を目前に夏日和になった姫路。
気温と期待が混ざり合い、開演前から早くも熱気がむわっと立ち込める。




照明が落ち、わあっという歓声に迎えられなら、最近のライブとは違って派手な柄のシャツをまとって登場した4人。立て続けに『FLASH!』、『SISTER』、『Beautiful Days』と披露。
なんだろう。いつもと違う…
いつもスクービーのライブで感じる勢い、スピードを一旦置いておいて、冷静にじわじわとファンキーにグルーヴィーに。なんだか不敵で尖っている…。
演奏が終わった後に、観客からあがるシュウさーん!MOBYー!等メンバーの名前を呼ぶ中に紛れた「抱いてー!」の歓声。
いや、そりゃそうよな。セクシーすぎたよな。
思わず合点がいってしまう幕開けだった。

「俺たちが1995年から2005年までのSCOOBIE DOです!」
Vo.コヤマシュウがそう叫ぶと、観客からは歓声と笑いが起こる。
先攻で出てきた設立前・SCOOBIE DO。
2004年のアルバムBeautiful Daysからですという言葉を合図に奏でられた『無敵のバカ』

“くだらねぇなんて言って 笑いとばしていこうぜ”

先ほどの3曲と打って変わって、居心地の良い音楽と自分のやりたいようにやったらいいんだよと強い言葉と共に、優しく背中を押すような曲。
思わず涙腺が緩んでしまう。
誰も真似できない孤高の格好良さを見せつけたかと思うと、そっと傍に来て励ましてくれる…
そのどちらも持ち合わせていて、そしてどちらをとってもスクービー。
ライブ序盤、早くもその魅力が最大に溢れ出した展開だった。

“メンバーを紹介します!”とBa.ナガイケジョーの低音から始まった『TIGHTEN UP』
観客の「MOBY!MOBY!」の声に応えるようにDr.オカモト“MOBYタクヤのドラムが響き、コヤマがハンドクラップを要求し、その手拍子から、リーダー・マツキタイジロウのGt.へ…。
プラスワンモーからスクービーへと音が繋がり
その後『Oh Yehah!』へ。
皆一様にいぇー!と叫びながら手を挙げる。
ハッピーな空気に包まれたあとは「ノンストップでいけるかー!ぶっ飛ばせ姫路ー!」と
コヤマの叫びを皮切りに『Back On』へ。
観客が動き、揺れ、飛び跳ね、叫んだ後には「ラブソングやっていいかー!」と『Little Sweet Lover』を披露。
堰を切ったかのようにモッシュが起こり、フロアは大興奮の渦に。
熱狂の観客に対し、コヤマがスタンドマイクを一人一人に近づけ、応えるかのように観客が歌う。
少しステージから離れて見ていた人にも、もっとやれるだろ!もっと来いよ!と言わんばかりに手招きしマイクを近づけていく。


コヤマ「プラスワンモーの体調は気になるが、冷房が体に直接当たるライブハウスは好きじゃない。
冷房が気にならないぐらい、熱くしたい!
ここのライブハウスは見た目は綺麗じゃない。
でもそんな場所ではロックをするしかない!
ライブハウスに“お前らロックできんのか!?”と聞かれている気分になる!ロックをするんだ!」

そんな言葉を体現するかのようにぶちかまし、勢いそのままに去って行った。



束の間経った後、今度はシックなシャツをまとい現れたリーダー、ナガイケ、MOBY
そして始まったのはライブのSEでお馴染みの『A CHANT FOR BU』
生演奏という粋なサプライズに歓声があがる。
そして今度はTシャツ姿でコヤマが登場し、「…アイッ!」と雄叫びをあげて演奏を止めた。
後攻・設立後SCOOBIE DOのライブが始まった。

コヤマ「ガガガSP夜の本気ダンス…姫路Betaでは対バンをしないといけないみたい。先攻で出てきたさっきの奴らも良かったけど、俺たちの方が凄い!」

気合い十分に『トラウマティックガール』『太陽と女の子』。ミラーボールが無い天井を指差し、俺にはミラーボールが見える!と『真夜中のダンスホール』でお馴染みのステップを踏み、踊ってくれ!と『アウェイ』へと畳みかける。フロアは早くも盛り上がる。

そしてMOBYのカウントと共に、鳴り響く独特で妖艶なイントロ。夢で逢えたら…と歌うコヤマと、コーラスのリーダーの後ろで、弦を撫でるように弾くナガイケ。
ムーディーな空気に様変わりした『ROPPONGI』


コヤマ「リーダーと出会ってスクービードゥーを作って、誰も聴いたことがないような音楽を作ろうと思った。そして2006年にCHAMP RECORDS設立。ここは俺らFUNKY4の為のレーベル…ではありません。俺らとPLUS ONE MOREの為のレーベルです!」

高らかに宣言し『結晶』、『ロックンロールは未定』、『MIGHTY SWING』で本日何回目か分からない熱狂にフロアが包まれる。

コヤマ「俺らが鳴らし続けるのは当たり前だ。
お魚さんは泳ぎ続けないと死んでしまう。俺は歌い続けないと死んでしまう。スクービードゥーという人生をこれからも続ける。だから君もついてきてくれ!」

多幸感に包まれた中での『新しい夜明け』
皆で手を振り大合唱し、後攻・SCOOBIE DOのステージは幕を下ろした。



アンコールに登場し、ここでこの曲を歌いたいんだと『Cold Dancer』、俺たちのデビュー曲を聴いてくださいと披露された『夕焼けのメロディー』
デビュー曲が最後に、新旧どちらのスクービーも繋いでくれたような気がした。

“統一感のない一体感”とプリントされたハンカチを掲げ、コヤマが叫ぶ。
「最後に皆さん一緒にご唱和ください!1.2.3…Funk-a-lismo!」

新旧SCOOBIE DO。どちらも一歩も引かない対バンに、拍手がしばらく鳴り止まなかった。




1. FLASH!
2. SISTER
3. Beautiful Days
4. 無敵のバカ
5. くもり空のベイベー
6. DARLIN’
7. つづきのメロディー
8. TIGHTEN UP
9. Oh Yeah!
10. Back On
11. Little Sweet Lover
12. A CHANT FOR BU
13. トラウマティックガール
14. 太陽と女の子
15. 真夜中のダンスホール
16. アウェイ
17. ミラクルズ
18. ROPPONGI
19. 結晶
20. ロックンロールは未定
21. MIGHTY SWING
22. 新しい夜明け

en1.Cold Dancer
en2.夕焼けのメロディー