死ぬ前に書きやがれ

文章を書きたい30歳会社員。音楽とお笑いが好きなので主にその話。時々、感じた別のことも。

2018/10/28 ナードマグネット「だいだっそうツアー」@梅田Banana Hall


NEW SINGLE『FREAKS & GEEKS / THE GREAT ESCAPE』発売記念で、9月からツアーを回っていたナードマグネット。
そのファイナルであり、かつワンマンライブが、大阪・梅田Banana Hallで開催された。

開催5日前には、よしもとの漫才コンビスーパーマラドーナがゲスト出演することも発表された。
かねてからVo/Gt.須田と、スーパーマラドーナ・田中の顔が似ていると言われており、スーパーマラドーナM-1グランプリに出場した際には「須田さん、M-1出てる…?」とSNSが話題騒然だった程。
そのスペシャルな組み合わせにも期待が高まり、チケットはソールドアウト。会場には沢山の人が集った。



須田「みんなが思ってることは分かる。いつ出てくんねんやろ?て思ってるよな。スペシャルゲスト発表して、取り置き50枚ぐらい増えるのなんやねん!
とりあえず俺らのワンマンやから一旦忘れてくれ!大阪のパワーポップ代表、ナードマグネットです!」

そんな雄叫びを皮切りに、ライブがスタート。

『ばくだんベビー』から始まり、Ba.前川のイントロソロが心地よい『C.S.L』、手拍子で会場中の息が揃った『(Let Me Be)Your Song』など、新旧問わず、立て続けに6曲が披露される。
Dr.秀村は早くも顔を真っ赤にして汗だくだった。

何年か前に好きになった曲、最近好きになった曲。幅広く、出し惜しみなく、好きな曲がこれでもかと言わんばかりに続く。ああ、ナードのワンマンなんだな、となんだかとても嬉しくなった。



ファイナル・ワンマンということで、OPのVTRもこれまでのツアーを振り返る写真で構成された物に。
しかし今回のツアーは台風の影響で、9/30の名古屋公演が延期となった。想いだけでも共に、と関連するTシャツを着る須田さん。(何のTシャツかは聞き取れずでした…)


須田「普段は自分たちのグッズはライブで身につけないんだけどね。街中で“あ、ナードのグッズや!顔見たら本人や!”てなるやん?なので普段は寝巻きにしています」

「火事で助けられた時も、自分らのグッズのTシャツ着てたな」とGt.藤井がかつて自宅が放火被害に遭い、窓から救出される映像が全国ニュースで流れた須田の事件を取り上げる場面も。
あのニュースで大体自宅の位置特定できただろうに、変なストーカーも生まれず、本当にいいお客さん達だ、と須田。


振り返ると日曜の公演が多いツアーだった。
明日も何食わぬ顔して会社に行きます。
今日スカスカだったら明日、体調悪いと言って会社を休むところだった。ソールドアウトです。ありがとうございます。
ここから1時間半、よろしくお願いします!

バンド活動をする傍ら、平日は一般の会社員として仕事をしているナードマグネットの面々。
本日会場に来ていたお客さんも、恐らくほとんどが既に社会に出て働いている年齢層だったように思う。
明日からまた1週間…と憂鬱な気持ちを抱えてしまう日曜日の夜。
分かると同調しつつ、ステージ上から客席へ、そして客席からステージへ。
明日から頑張ろうな、その代わり今めちゃくちゃ楽しもうな!と投げ合えるのは、ナードのライブならではの様な気がした。



ワンマンなので普段はあまりしない曲をします、と『チェイシング・エイミー』が始まると、会場の至る所から喜びの声があがった。
『DUMB SONG』でしっとりとした空気になったかと思うと『いとしのエレノア』で会場のボルテージがまた一気にあがる。

ロディアスな音を鳴らしながら、身体のアクションや、顔の表情もどんどん大きく、かつどんどん豊かになっていくGt.藤井。
全身から音が鳴っているみたいだった。



「かわいい代表でーす」
前川がそう口にすると、会場中からかわいいー!と歓声があがった。
今回のライブに向けて、SNSで #わたしとナードマグネット というハッシュタグをつけて、オーディエンス自身とナードマグネットの想い出を募った企画、本日会場には想い出を書き込める年表を用意、仲の良いバンドマンが個々に年表を書いてくれたこと等を説明。
そしてSNS上でハッシュタグをつけて呟いた方の中から1名には「謎の権利」が授与された。

前川「いつもライブが始まる前、メンバーで円陣を組んで掛け声を出すんですけど、その掛け声を決める権利でした。
そして決めてもらった言葉は“エクストリームファイヤー”」



この曲を知っている人は友達です。来月心斎橋JANUSでハイタッチしましょう、とASHのカバー『Girt From Mars』を披露。
『ウェンズデイ』、『恋は呪い』と続くと、堰を切ったように、観客がステージに詰め寄りフロアの熱気が、爆発的に上昇した。

須田「新曲をしれっと放り込んでやったぜ。
新曲しますっていうと、みんな身構えるでしょ?ただでさえこっちも緊張してんのに」

と、新曲が披露されたことを報告。
カバーとか新曲とかすみません。ここからはみんなが知ってる曲をします、とアッパーチューン『BOTTLE ROCKET』『アップサイドダウン』と続くと、全員があげているのでは?と思うほど拳を突き上げて応えるオーディエンス。

「今日一人で来てる人?」という須田の問いかけに、結構な数の手が上がる。
おるよな、おるよな?無理にこの場で、仲良くなろうとしなくてもいい。君と俺が繋がってたらそれでいいやん、という語りの後の『プロムクイーン』

SNS上でよく見かける“邦ロック好きで繋がろう”というタグが嫌いだと言う須田。
狭い世界しか見ず、無理に人に合わせず、自分が良いと思った音を楽しんでいったらいい、そしてナードを選んだ人に本気で音を届けている。
そんな風に勝手に解釈してグッと来てしまった。



今回のレコ発でもある新曲『FREAKS & GEEKS 』。曲中のブレイクが格好いい、と思っていたら、ブレイクの最中、時が止まった様に動きが止まり固まるナードマグネット。そして暗転。
ステージ上にサンパチマイクが設置され…
ついに登場、スーパーマラドーナ
大きな歓声が沸き起こった。



こんなに盛り上がりが凄いと思わなかった、と武智。ネタ途中、フリーズしている須田に絡みに行く田中。

田中「ほんまに似てるな!おーい。笑えー!真似すんなー!俺ら芸歴15年、お前ら12年。ジュース買ってこい!」

曲中にネタを見るという、何とも贅沢な瞬間だった。スーパーマラドーナがはけると、会場中に巻き起こる“田中ー!”のコールで、ナードの動きが復活。

須田「時が止まっていた間に何があったん…?いや俺、須田や!今日おかんも来てんねん!」

まだまだ曲の続きやねん!と『FREAKS & GEEKS 』の続きを搔き鳴らし、締めくくった。




アンコールが巻き起こるか、という時に会場のモニターに流れるVTR。

そこには新章開幕!と
来年6月・2ndアルバムリリース
来年8月・大阪野音での主催フェス開催の、嬉しすぎる発表が。驚きと喜びの歓声が上がる。




須田「来年からの計画、未定やからな?
どうなんねんやろな。1年前のこの頃、とても病んでいて、ついこの前も病んでいた。
今日ここに来てくれている人は、チケット代を払って来てくれているから、言うのもなんだけど、来てくれて、俺が救われている。俺にはこれしかない。
おかんごめん!結婚はまだまだ先になりそうやわ!」



学生時代、須田が好きだった“THE WELLINGTONS”来日ツアーを一緒に回れた喜びを語り演奏されたカバー曲。
12年も続けていると会えなくなってしまった人も増え、そんな人たちを想って作ったと『MISS YOU』を披露。


邦ロック好きで繋がろう。
邦を付けてしまうだけで、俺らが大好きな海外の仲間が排除されてしまうことになる。
それが嫌だ!ロック最高!音楽最高!で、なんでダメなのか!アホか!
邦ロック好きタグをぶっ潰すまで、これからもやり続ける!

そんな熱い言葉に、今日一番の歓声が沸き起こった。



「この曲はみんなのもの」と前置きをして、ラストに『Mix Tape』が鳴らされた。

“ああ、この夜は僕らのもの”

そんな歌詞が、この場にいる全員の総意の様に聴こえた。

最後は再度スーパーマラドーナが舞台上に登場し、全員で集合写真を撮影。
田中さんから授けられた、須田さんの「ありがとうございます・だ!」のギャグで幕を下ろした。



青春ど真ん中な歌だ。
初めてナードマグネットの曲を聴いた時、そんな事を思った。大好きになり聴き続け、そして本日初めてワンマンライブに行くことが出来た。

青春ど真ん中を思い出す曲やバンドは正直沢山ある。しかしナードの曲は、青春の想い出に戻らなくてもいい。懐古しなくてもいい。
青春だが、今いる自分に真っ直ぐ突き刺さる、そんな特異な音楽だと勝手に思っている。

今まで行っていた対バンライブと比べ、個人的に至上最高に沢山ナードの音を浴びれた日。
だいすきや!が溢れて仕方なかったです。

明日からもこれで頑張る。
また頑張れます。
そんなライブでした。
ありがとうございました。


【セットリスト(公式Twitterから拝借)】
1.ばくだんベビー
2.pluto
3.C.S.L
4.イマジナリーフレンド
5.(Let Me Be)Your Song
6.海辺のルーシー
7.チェイシング・エイミー
8.DUMB SONG
9.いとしのエレノア
10.ラズベリー
11.Girt From Mars
12.YOU & I
13.ウェンズデイ
14.恋は呪い
15.ルーザー
16.TRAGICOMEDY
17.COMET
18.BOTTLE ROCKET
19.アップサイドダウン
20.プロムクイーン
21.FREAKS & GEEKS
22.MISS YOU
23.アフタースクール
24.THE GREAT ESCAPE

en1.Song For 2ac & kate
en2.Keep Me Holding on
en3.MixTape
en4.ぼくたちの失敗