死ぬ前に書きやがれ

文章を書きたい30歳会社員。音楽とお笑いが好きなので主にその話。時々、感じた別のことも。

2021M-1準々決勝 大阪2日目レポ(好き勝手に書いたver.)

M-1グランプリ準々決勝 大阪2日目レポ。
自分が好きな言葉で文章で勝手に書いたら、粘っこくなったレポです。
公式っぽく書いたver.と対で読んで貰えたりしたら、めちゃくちゃ喜びます🙏


今年もまた、この季節がやってきた。

M-1グランプリ
吉本興業主催、結成15年以内の若手漫才師日本一を決める賞レースである。毎年12月にテレビ朝日系列で放送される『M-1グランプリ』を観たことがある人は多いのではないだろうか。

しかし、多くの人がテレビで観ているM-1グランプリ、これは実はM-1グランプリ『決勝』である。

昨年、5081組の中から優勝したマヂカルラブリー。お笑いファンからは面白さに定評があったものの、世間的な知名度はあまり無かった彼らが、一躍お茶の間の人気者になったシンデレラストーリーには胸を打たれるものがあった。
一方、優勝し喜びを噛み締めるマヂカルラブリーの後ろに映る敗退した漫才師9組。彼らにもM-1にかける熱い想いがあり、悔しそうな顔を見ているとこちらも涙が込み上げてきた。

しかし、予選まで遡れば悔しい想いをしたコンビが、あと5072組もいる。
そんなテレビには映らない5072通りのストーリーを私たち視聴者も垣間見れる機会が実はある。

M-1グランプリ予選。
毎年8月頃から開催されるM-1の予選は、全国各地の劇場で行われ、チケットを買えば誰でも観ることができる。予選が進むと、舞台は全国各地から東京、大阪に移り、2回戦からは昨年準決勝以上に進んだコンビがシードで出場し、より一層熾烈を極める。

今年も順調に予選が進み、現在3回戦までが終了。出場コンビ6017組から127組が、準々決勝に駒を進めた。

大阪、東京で2日ずつ開催される準々決勝。
本日はM-1グランプリ準々決勝、大阪2日目の様子をリポートする。



チケットを買えば誰でも観れると先程書いたものの、準々決勝まで進むとチケットは争奪戦になる。例年、準決勝以降は東京で開催され、M-1予選を大阪で観れる機会はこの準々決勝が最後となるからだ。もちろん本日も完売御礼。新型コロナウイルス感染予防対策で、先月まで収容人数を制限していた為、多くの人で埋まる劇場を久しぶりに目にし、嬉しくなった。

高倍率なプラチナチケットを手に入れた観客は恐らく相当なお笑いファン達であろう。周りに目をやると、仕事終わりに急いで駆けつけたスーツ姿の人や、劇場によく通っているのであろう若手コンビの話題で盛り上がっている学生等、様々な人が集っていた。
開演前、席に座っていると周りでは3回戦までの感想や評判などを話す声が聞こえてきて、M-1グランプリに挑む芸人のストーリーに早くもファンが寄り添っていることがわかる。準々決勝という大事な舞台、観客側もピリッと空気が張り詰めているような気がした。


会場はお笑いの聖地と名高いなんばグランド花月M-1出場権を持つ結成15年以内の若手漫才師にとって、師匠方が立つなんばグランド花月は夢のような舞台だ。
この劇場で4分間、漫才ができることだけでも、芸人にとっても応援するファンにとっても醍醐味かもしれない。

まず舞台に登場したのは前説のチャイルドプリンス。彼らもM-1に出場していたものの3回戦で惜しくも敗退。しかし結果が出る以前から既に準々決勝の前説スケジュールが抑えられていたらしく、「もし準々決勝に俺らが進出していたらどうするつもりやってん!」と怒り、笑いを誘った。

そして開演し、MCのへびいちごが登場。
緊張する出演者によって買い占められ楽屋の自動販売機からレッドブルが売り切れていた、トイレでぶつぶつセリフを呟き、ネタを確認する芸人がいたなど裏の様子を語り、いかに真剣勝負なのかを伝えつつ、「お客さんはただ楽しんで帰ってください」と空気を和ます。



そしてAグループ8組の漫才がスタート。
1組目に登場したドリンクバーゲン
マチュアで、昨年は1回戦落ちしたコンビが「自身の薄毛に悩む」漫才を披露すると、客席は先程のピリッとした空気が和らぎ、大きな笑いに包まれた。

その後、登場した侍スライスは今年東京から大阪に活動拠点を移した異色コンビ。「気配を消す特技を身につけた」というこれまた異色のネタに大きな笑いが起きる。

イチオクは3回戦と同じく「おっさんと肩がぶつかる」漫才を披露するが、ネタ時間が3回戦より1分延びたことで、より一層話が広がり客席からは感嘆の声もあがった。

そしてZUMA。今いるこのM-1グランプリという舞台そのものを揶揄するような漫才に爆笑が起こった。

Aグループが終了し、換気も兼ねて10分間の休憩を挟む。お笑いファンの猛者たちが集まる客席。厳しい目が向けられることもあるかと勝手に思っていたが、1組目から8組目まで終始大きな笑いに包まれた。お笑い好きみんなで、出場している芸人を後押しするような暖かい雰囲気があった。


続くBグループ7組。
まず登場したのはエルフ。ギャル芸人としてテレビに引っ張りだこの荒川が登場すると、大きな拍手が巻き起こる。
ギャルの可愛さが存分に出た漫才はとても魅力的だった。個人的には相方はるの声の通りの綺麗さに感心してしまった。

昨年、コロナに罹患し無念にも敗者復活戦を棄権した祇園。今年は修学旅行のネタでストレートでの決勝進出を目指し、隣人は巧みな表現でコントになりそうな遊園地のネタを、漫才へと昇華させる。

先月、NHK新人お笑い大賞で結成3年目ながら準優勝を果たしたハイツ友の会。思わずあるある…と頷いてしまいそうな、ブラックな共感で笑いを生んだ。

そして最後にCグループ7組が登場。

昨年、結成2年目で準決勝に進出し、衝撃を与えたタイムキーパーが、今年も高い演技力で観客を巻き込むと、続く丸亀じゃんごが「米は食材と気付いた人」という架空のエピソードで笑いを起こした。

賞レースの常連となってきた実力派カベポスターは「文化祭」のネタ。ゆったりとした永見のボケに、浜田の独創的なワードのツッコミが冴える。ビスケットブラザーズは原田が登場直後に噛んでしまいドキッとしたものの、そこからは大きく巻き返し女の子との恋模様をビスブラワールド全開で演じ、爆笑を誘った。

そして令和喜多みな実がバイクの話題ですれ違う、安定した漫才を披露し準々決勝の舞台を締めくくった。

公演が終わった直後からSNSに感想が溢れたり、恐らく感想を言い合っているであろう、会場外で立ち話をするグループを見かけたり、ファンの興奮も冷めやらぬようだった。
今日、ここで自分が観たコンビが1組でも多く残ってくれたらいいなと願いつつ、会場を後にした。

準々決勝は東京へと舞台を移し、11月16日(火)、17日(水)と2日に渡り開催される。
気になる準決勝進出者は18日(木)に発表予定だ。そして準決勝、決勝へ。
興味を持たれた方は是非今年や来年、M-1の予選に足を運んで欲しい。きっと応援したくなる新たな芸人に出会えたり、好きな漫才が見つかる筈だ。
予選から応援してきた芸人が、決勝へ進み優勝をしたら…考えるだけでも鳥肌が立つ。
予選からM-1を見れば、きっと今まで観てきたM-1グランプリもより一層楽しくなるはずだ。