死ぬ前に書きやがれ

文章を書きたい30歳会社員。音楽とお笑いが好きなので主にその話。時々、感じた別のことも。

「狂いたきゃ狂え」なんて簡単に言うな -映画『JOKER』を観て-

べらぼーに怖がりだ。


小さい頃、ホラー映画のCMを目にした日。
ストーリーを知らないくせに妄想がどんどん膨らみ、夜になると電気を煌々と点けないと眠れなくなった。

恐らく一般的に「怖い」でないものも怖い。
時代劇とか。ダメです、苦手。
「人に暴力を加えてはいけない」「死ぬの怖い」という圧倒的な倫理観からなのか、怖い。

親子共々SMAPファンでして、小さい頃キムタク主演のドラマ『忠臣蔵』を観たんです。
それがすんげートラウマで。
討ち入りってなに?切腹ってなによ?
あかんて、そんなんしたら。あかんてー。

夢の中で、地球は何回も壊れるし、よく分からん何かに感染するし、よく分からん何かと闘っているし。
起きた時に「現実めっちゃええやん…」とほっとすることがしばしばある。



ホラー、グロ、怖い。
サスペンス、ミステリー、怖い怖い。

少しでも怖そうな要素があるものに、過度に影響を受けてしまう。
そんな性質は、お恥ずかしながら28歳になっても残り、今なお色んなものを怖がり続けている。
しっかり自覚があるので、なるべく影響を受けないように、「怖い」を避けながら生きてきた。


そんな怖がりが
映画『JOKER』を観た話。


『JOKER』はR-15指定作品。
普段ならR-15の時点で遠ざけリストの仲間入り。てか、ピエロメイクの時点でさようなら。
でも、なんだか異常に気になってしまった。周りの方々の絶賛の嵐にも、どんどんどんどん押される背中。

それでもやっぱり怖くて、事前に見た人に綿密な聞き込み調査を実施しました。
(めちゃくちゃLINEした。回答してくれた人、ありがとう)
すると「ホラーではないけど、ジョーカーに引きこまれて落ち込む怖さがある」と聞きました。


「あ、ジョーカーに感情移入して、凹む話なんや。“可哀想”って思うのか。引きずりこまれるのか」


そんな話だと理解し、めちゃくちゃ対策練って行きました。
仕事終わりでなく、心安らかな休日に。
気心知れた友人と、映画館を出ても太陽が出ているようにお昼の回を。
凹まないように、怖くないように。

映画スタート。

冒頭のやるせなくも美しいジョーカーの表情にに早くも心鷲掴みにされつつも、気合を入れ直してバリアをはる。
映画の世界に入り込まないように、自分を現実世界にくくりつける。

「やっぱり歯列矯正はじめると、人の歯並び気になるな」とか
「仕事としてもここまでやつれて痩せるにはどうしたらええんやろな」とか

必死に茶々を入れながら観ました。
凹まないように、怖くないように。


観終えました。
結果、あまりジョーカーに引きずり込まれませんでした。

むしろ
ジョーカーが暴力性に目覚めた瞬間
「あかん!そんなことで人撃ったらあかん!もっと我慢してくれ!」と思いました。

“そんなことで”

そんなことでは、全然ないんですよ。
社会から孤立して、他人に断絶されて。
信じていた人の、まさかの真実とか。
悲しいよ、絶望だよ、苦しいさ。
狂うさ。

事前に「ジョーカーに引きこまれて落ち込む」と忠告してくれた方々は、きっとジョーカーに感情移入できたんだと思う。“可哀想”と思ったんだと思う。

“そんなことで”と思ってしまった私は、めちゃくちゃ冷たい奴なんか?とちょっと凹みました。
凹んで色々考えた結果、「“可哀想”よりも“狂う”ことへのハードルが異常に高いのではないか」という結論に至りました。



狂うことへの憧れと怖さ。
現実世界で言うとなんでしょうな。

浮気してもたー!とか?
家族と縁切ったー!とか?
疲れたから仕事辞めてもたー!とか?
貯金0円なってもたー!とか?

狂うという表現だと強い気がしますが、要するに「一般的と言われるレールから逸脱すること」ですかね。
怖いんですよ、そんなん出来たことないんですよ。仕事辞めた時も、ばりばり転職先用意して辞めましたよ。


たまたまなのか周りの友達とか、結構できる人が多い気がして。
「やってもたー!」て報告、結構耳にします。
大丈夫?とか、話聞くよ?とか心配しつつも、ちょっと羨ましかったりするんですよ。
ちゃっかり清々しい顔してたりするんですよ。

人生でどん底を経験したことがある人の話。
聞けば聞くほど深いんですよ。
そこまでの深みや重厚さ、やっぱり経験した人でないと出せないですよ。
意図的になるんじゃなくて、「私もなりたい」
なんてそんな失礼な気持ちはなくて。
あちらはなりたくてなっている訳ではないのに。


でも
少しでも「狂えた」人って
「やってもたー!」ができる人って
やっぱり魅力的なんですよ。
重いし、分厚いし、深いんですよ。

でも、でもですね。
それが出来ない人の辛さって
なんで語られないんだろうか。

仕事があっても、家族がいても、恋人がいても、毎日することがあっても、生活が成り立っていても
ずっと付き纏うこの「虚しさ」
一体どうすればいいんですか。
狂えば勝ち?狂えばいいの?
そしたら楽になれるんですか?

そんな簡単に出来ないっすよ。
出来ないよ、羨ましいよ。
仕方ないから、そんな「虚しさ」も仕方ないなと受け流しながら生きていきましょう。



人を撃つジョーカー。
狂ったんじゃなくて「狂えた」ジョーカー。
思い返せば、凄い良い顔をしてた気がします。
全てから抜け出せた様な。
これはある種、解放の物語。

そんなことを思いながら観終えた。
怖がりがちょっとだけ頑張ったら
思っていなかった結論に着地しました。
怖い、怖い言ってないでもっと色んな作品観れる様になりたいな。
逃してしまっているもの、きっと沢山ある。


にしても、
R-15指定作品だからと言って、観に来ている人全員心強いと思うなよー。
映画の予告、全部怖かったわ。
ずっと目伏せてたわ。ふざけんなー。








2019/6/15.16 やついフェス〜マツモトクラブがやりたかったことと… ミフクエンターテイメントがやりたかったこと

2019/6/15.16と2日間、東京に行って来ました。

6/15 『やついフェス1日目』
6/15〜16 オールナイトライブ
『マツモトクラブがやりたかったことと
ミフクエンターテイメントがやりたかったこと』

ライブをほぼノンストップで拝見してきたのですが
めちゃくちゃ楽しかったので書いて残したいというお話です。笑
レポといえる程丁寧では無いただの思い出話ですが、良ければ覗いていってください☺︎



6/15 やついフェス1日目
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あいにくの天気…なんて言葉でおさまらないぐらいの土砂降り。そんな中でのサーキットライブは大変かと思いましたが、全会場かなり距離が近くて、とても過ごしやすかったです。
渋谷ってあんなに近距離でライブハウスあるねんな。羨ましい。



【四星球 @O-WEST 12:50-13:30】

トップバッターの登場ですが、康雄さんの言葉を借りると「はやくもクライマックス」

今日が楽しみすぎてクッキーやフルーチェ(実物)を作って来たと見せてみたり
(ボウルに入れられたフルーチェをスタッフさんがライブ中に素早く回収したのにも笑った)
裏に出ていた、ももクロ高城れにちゃんのグッズで全身固めてみたり、遊び心満載。

康雄「ライブハウス。楽しいねー!」

うん、楽しい!四星球楽しい!と思っていたところで
「今日これから沢山のバンドを見て、きっと今日が終わる頃には、トップバッターの俺らの事なんて覚えていないと思う。でも、平日が始まってしんどい時。ふと俺らの事を思い出して欲しい」

そんな事を語られると、ちょっとグッと来て泣けてきたりもします。どんだけつまらない、辛い毎日でも四星球ところに戻って来れば、何とかなると思わせてくれるのは、凄いありがたいなぁと毎回思う。



ジグザグジギー街裏ぴんくウエストランド @duo MUSIC EXCHANGE 13:25-13:45】

東京行かれてから無双状態という噂を聞いていた街裏ぴんくさんを、やっと見れた!
やついフェス後、ふと思い出した言葉はジグザグジギーのネタの「うちの店、QUOカードしか使えません」でした。



にゃんこスター、ナイツ、エレ片 @O-EAST 15:25-15:45】

にゃんこスターはやはりあの縄跳びネタ。
自虐とまではいかないけど自分たちで「待ってたでしょ!あのネタですよー!」と展開していったのは、めちゃくちゃ面白かったです。

絶対放送できない事しか言わない自由すぎるナイツさん。言ってはいけない事、ちゃんとしてそうな人が言うのは笑ってしまう。

エレキコミック・今立さんの女装。美しかった。ふくらはぎが真っ直ぐの美脚。くぅ…



NONA REEVES @O-WEST 15:00-15:40】

ラジオで耳にして「あ。好きな音楽だ!」と思ったNONA REEVES
ライブ拝見できて嬉しかった。キラキラおしゃれ大人音楽。冒頭しか聴けなかったので、またゆっくり観に行きたいです。


【のん @O-EAST 15:55-16:35】

あの能年玲奈ちゃんが生で観れるん!?という
完全なるミーハー心で観にいきましたが、格好よかった。
偽りなく真っ直ぐ届く音楽というか。好きなことを今、してはんねんなあ…というのが、ひしひし伝わって来た気がします。素敵。


【よなよな…なにわ筋カルチャーボーイズ @LOFT9 16:30-17:30】

ABCラジオ『よなよな…木曜日〜なにわ筋カルチャーボーイズ〜』の出張編でした。

番組パーソナリティの鈴木淳史さんと、原偉大さん。ゲストに日高央さんと、沢田チャレンジさん。4人によるトークライブ。

よなよな…木曜日、おもしろいんですよ。
所謂「ロック」を聴き始めるのが、私はめちゃくちゃ遅くて(大学生なってからです)ロック好きに多いバックボーンみたいなものが、べらぼうにペラペラなんですけど、よなよな…という番組は、そんな私にとっての「ロック教科書」みたいな存在となっています。

生まれ年でもある“90年代”の音楽に惹かれる事が多くて。しかし自意識過剰かもしれんけど、当時を共に過ごして来たファンと同じ空間に入ることはやはり抵抗があったりもして。
でも、そんな奴にも「いい音楽でしょ!何故ならこんな背景でね。こんな想いで作られてね」と、教えてくれて間口を広げてくれる番組です。(前述のNONA REEVESもこの番組で知ったのさ。)

日高さんと、沢チャレさんの90年代渋谷事情の話に、当時関西からその文化に憧れを抱いていた鈴木さんが身を乗り出して興奮したり、沢チャレさんの会社での後輩事情など和やかに進んでいくかと思いきや
「ノーツイートでお願いします」という前置き通り、日高さんが裏話を語ってくれ、表には出せない話の展開に。
最終的に「今、おる方」(意味は説明できない)という最大の爆弾を落とした原さんにめちゃくちゃ笑ってしまいました。

サングラスかけて一番ふざけてそうな見た目やのに、一番真面目だった沢チャレさんも面白かった。笑



【トリプルファイヤー @O-WEST 18:15-18:55】

同行してくれた友達が大好きだというトリプルファイヤー。
「面白い」という説明に、四星球みたいなコミックバンド?と思ってライブを観始めたんですが…
度肝抜かれました。演奏もボーカルも立ち振る舞いも洗練されてめちゃくちゃカッコいい。

MCパートになった途端、俯いて客席には目も向けずしどろもどろ状態に。
しかし、またマイクを持って歌い出したら人が変わる。痺れました。

トリプルファイヤー、何回聞いてもリズムネタする芸人さんのコンビ名みたいやなと思っていたら、トリプルエンジョイと混同していたことが判明。もう間違えません。


吉澤嘉代子 @O-EAST 18:50-19:35】

アイドルやタレントさんで、どうしても惹かれてしまうのが「自分の世界観を自分で完璧に作り上げている方」です。
アイドルの“ぶりっ子”とかね、めちゃくちゃ好きなんですけど、初めて拝見した吉澤嘉代子さんも正にその感じで、独自の世界観にやみつきになりました。

妖精の様に舞いながら、澄んだ歌声で歌い上げるのは絵本の中の物語…かと思いきや
凄い現実的でドキッとする描写もあったり。
もっと色んな曲を聴きたい、吉澤嘉代子さんを知りたいと思わせられたライブ。
めちゃくちゃかわいいー。あんなに可愛らしい動きときめいてしまうやろー。


トゥインクル芸人オールスターズ@LOFT9 19:45-20:25】

よく大阪のライブで見ていたたなしゅうさんが出ていてびっくりした。嬉しかった。


【ナードマグネット @O-nest 20:35-21:15】

「隣の建物の上にめちゃくちゃ人おるねんけど。UFO呼んでんのかな?」
そんな須田さんのゆるっとした言葉から、音が鳴ると一変。爆発して突き抜けたようにライブがスタート。

最近毎日聴いている『バッド・レピュテイション』あまりにもグッと来てしまいました。
全働き人、全学生に突き刺さる勢いやと思う、この曲。

「同じ日本語でも話がどうしても通じない人がいる。この歳にもなればそんなことが分かってくる。でも、今日色んなライブハウスを駆け巡った音楽好きの貴方達にはどうか幸せになって欲しい」

「全員、踊れー!」とか「全員で幸せになろうなー!」とか言われると「そんなん無理やろ。うっせーな」と冷めて見てしまうひねくれ者ですが須田さんの言葉は、いつもすんなり入ってくる。

どうしようもない事を乗り越えるように背中を押されるより、どうしようもない事はいなして過ごしていく事を歌われる方が私は信じてしまうので、日々を過ごす中で私が聴きたい音楽は、ナードマグネットだなぁと思うのです。




そして時間は深夜0時過ぎ。再び渋谷LOFT9へ。オールナイトのお笑いライブを観にいきました。

【マツモトクラブがやりたかったことと
ミフクエンターテイメントがやりたかったこと】
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R-1グランプリで知り、面白いと思ったマツモトクラブさん。そして3.4年前に観に行った東京のお笑いライブに出演されていて、渋い見た目や声と裏腹に「何してんねん。笑」というネタを披露し、一気に心を鷲掴みにされた三福エンターテイメントさん。

そんなお二人がやりたいことをするライブ。
タイトルからはそれだけしか汲み取れなかったのですが「観に行く!」という決定打になったのがニュークレープ・デビさんの出演でした。

元々ポラロイドマガジンというトリオ名で大阪で活動をされていたのですが、5年前に拠点を東京に移した際にトリオ名をニュークレープに改名。学生時代、私がめちゃくちゃ追いかけていた芸人さんです。



ライブが始まり登場したのは、マツクラさん、三福さん、デビさんの3人。
マツクラさん、三福さんがやりたいことをするのを、デビさんが司会の立場で見守るというもの。

まずはマツクラさんがしたいこと
「映画『スタンドバイミー』完全再現」

スタンドバイミーがとにかく好きだ!というマツクラさん。スクリーンにお気に入りのシーンを流して観た後に、それを舞台上で完全再現しようという企画。

マツクラ「10シーンやるから」

三福「2日前に送られてきた台本のページ数が凄かった」

同じくスタンドバイミー好きの三福さん、そしてや団・本間キッドさん、ラブレターズ・塚本さんが登場。この4人が主要キャラを演じる事に。
服装もばっちり完全再現。わざわざ実家まで服を取りに帰った本間キッドさん。この企画にかける情熱の凄まじさを感じました。

台詞も入っていないかも、不安だ…と言いながらはじまった1シーン目。あまりにも高すぎる完成度に、客席からは爆笑が。あー良かった、うまくいったと安堵する演者さんたち。

次々とマツクラさんお気に入りシーンを流して再現。増えるキャストに合わせて、続々とゲストの芸人さんの数も増えていきました。
中でもインデペンデスデイ・久保田さんの犬を飼っているおじさんの演技には演者さんも客席も拍手喝采

スタンドバイミーを見たことがないMCのデビさんも、この企画の見方が分かってきたと一言。
「再現率が高すぎて、面白いってことやな」
観ている側も笑いつつ、スタンドバイミー観てみようと心が良き方向に傾いていました。



しかし、その流れを一気にぶっ壊した
虹の黄昏・かまぼこ体育館さん。

線路を走る汽車役という突飛なキャスティングに、何故かサッカーのユニフォーム姿で現れたかまぼこさん。

かまぼこ「なでしこジャパン
澤穂希でぇーーーーす!!!!!!!」

ぽっぽー!!!!!!と叫びながら舞台上を
走り回って暴走するかまぼこさん。

三福「今までの流れ見てた!?絶対違う!」

三福さんに戻れ!と促されるものの、全然舞台袖に引っ込まないかまぼこさん。
どよめきと爆笑が一気に入り乱れた中で、どうしても全10シーンを再現したいマツクラさんが
一人DVDをきゅるきゅる早送りして、次のシーンの頭出しをしていたのに笑いました。

無事全10シーンを演じ切り、最後は、同じくスタンドバイミーが好きすぎて、主題歌を情熱だけで和訳して歌い切った一般人のYoutube動画を見て大団円。(笑)



続いて、三福さんがやりたかったこと。
「ツッコミの猛者vsモンスター芸人」

もはやボケなのかすら分からない、予測不能なことをしでかし大暴走をするモンスター芸人。
そんな芸人さんが登場し、舞台上で1分間好き勝手してもらう。その様子をツッコミの猛者である芸人さんが1分間ツッコミ続けるという企画。
判定はマツモトクラブさん。
もうツッコミきれていない=捌き切れていないと、マツクラさんが判定した時点でアウト。

モンスター芸人さんは5人。
続々とツッコミ挑戦者が現れるものの次々と敗退していく…
ラスボスのスルメさん。もはや何を言っているかも分からず、めちゃくちゃ恐怖でした。(笑)

そんな中、トンツカタン・森本さん。
見事な捌きでオールクリア。
全くネタ等拝見したことないのですが、ネット上で名前を拝見することが多くて気になっていました。
偉そうな言い方になりますが、今回のライブだけでも“達者な人”だと分かる。
モンスターを捌く姿。凄すぎて、もはや格好よかった。これからめちゃくちゃ売れはるんやろな、と思いました。


続いて、ツッコミ芸人vsモンスター芸人複数人。ゲーム企画上でモンスターを捌けるか。
この時点でベロベロになっていたマツクラさん。審査員からモンスター芸人枠に移動させられました。(笑)

モンスター芸人マツクラさんとキサラギ・富樫さんによるゲーム企画『あっちむいてホイホイホイ』
ジャンケンをし、あっちむいてホイを行うが、指をさすのは「ホイホイホイ!」と3回連続。

モンスター芸人として出演していたものの徐々に何かを掴みかけ面白くなり、笑いをかっさらっていたキサラギ・富樫さん。
マツクラさんにジャンケンを9連続負けるものの
“ホイホイホイ!”の部分は全てかわせた富樫さんの奇跡にめちゃくちゃ笑いました。

他にもモンスター芸人さん3人が面接の程で質問に一文字ずつ回答する企画。
「お名前は?」と尋ねられたところでの
「ほ」「ん」「き」という回答にも頭痛くなる程笑った。
「ビ」「ビ」「アンスー」も、面白かった…

深夜4時。
最終的に、モンスター芸人全員vsネコニスズ・ヤマゲンさん。捌きの死闘20分を繰り広げ、地面に崩れ落ちたヤマゲンさんを見守り終了。


オールナイト4時間半にもわたるライブ。
めちゃくちゃ笑いました。
大阪にあんまこういうライブないよな。事務所関係なく入り乱れて好きな事できるっていう。東京めっちゃ羨ましいです。
LOFT9も見やすい良い会場でした。おしゃれな上に居心地良い〜。出演者にビール奢るという伝統にも初めて参加しました。楽しかった。笑


あと勝手に感慨深い話にしてしまうと
大阪で応援していた頃から、私はデビさんのMC回しが好きで「MCして欲しいー」とずっと言うてたんですけど、なかなかMCの舞台が無くて。
(唯一MC回って来てた、朝10時からあった
若手のオーディションライブとかを、喜んで観に行ってました)

そんなデビさんが東京進出して5年経って、ライブ界隈で敏腕のツッコミとして先輩からも後輩からも頼られてMCをしていた姿は、めちゃくちゃ嬉しかったです。ファン冥利に尽きる。


ばんばんテレビ出たり、誰もが知っているような人たちじゃないけど、私が好きな人たちは
全員もれなくめちゃくちゃかっこいいな、と。
そんな事を再確認した東京2日間でした。
あー、楽しかった。

2019/3/12 OKAMOTO'S 10周年記念特別公演 ~ハマ・オカモト"に"大感謝祭!~ @なんばHatch

2019年に結成10周年を迎えるロックバンドOKAMOTO'S。そして3月12日はベーシスト、ハマ・オカモトの28歳の誕生日である。

2つのおめでたいことが重なった2019年3月12日。大阪なんばHatchにてハマ・オカモト生誕を祝う特別イベント、題して『ハマ・オカモト"に"大感謝祭!』が開催され、お祝いをしたいと沢山の人が殺到。バンド史上初のなんばHatchソールドアウトとなった。

会場に着くと今回のイベント限定グッズ、ハマ・オカモトの顔写真がプリントされたTシャツに身を包む人々が多くいたり、会場入り口付近にはファンからのお祝いの花が届いていたりと、早くもお祝いムード。
そして会場に入るタイミングでスタッフの方からある物を渡される。

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開演前にはイベンター清水音泉・田口さんより注意事項アナウンスが。「ハマくんの誕生日イベントを大阪で開催することが出来ました!」という言葉に、歓声があがる会場。

19時になりイベントがスタート。ハマさんが一人颯爽と登場するのに合わせて、先程入り口で受け取った物を掲げる観客。

ハマ「なにこれ!?」

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自身の顔がプリントされたお面に驚くハマさん。今回のイベントは、先日まで星野源ドームツアーに帯同し、多忙を極めたハマさんに代わり、他のメンバーがプロデュースを手掛けていた。
イベント限定グッズとして、Tシャツを作ったDr.オカモトレイジと、生写真を準備したGt.オカモトコウキ
(ちなみにTシャツはハマさんの写真と、HAMA OKAMOTO 28というアメコミちっくな字面がどーんとプリントされたもの。生写真は盗撮気味というものでした。)
グッズの事は聞いていた為、Vo.オカモトショウは何も関わっておらず、もう忘れているのかな?と思っていたハマさん。ショウさんは今回のお面サプライズを手掛けていました。大成功。

そしてハマさんから今回のイベントの趣旨説明が。
今年10周年を迎えるにあたり、メンバーの誕生日に1つずつバンドとしてお知らせが出来るようにしようという事に。
1番手となる1月9日のレイジさんの誕生日には、8枚目となるアルバム『BOY』をリリース。
2番手となる自身の誕生日には何をするんだろうと思っていたところ、スタッフより一言。

スタッフ「なんばHatch抑えたから」

ハマ「だから自分の提案じゃないの」

そうして開催が決まった“ハマ・オカモト生誕祭”。本日は2部構成で、1部はメンバー1人ずつお祝い用の特別な催しを披露。2部はバンドでのライブというもの。

ハマ「セトリも自分の好きな曲しかしないから“なんで今日この曲?”とか言わないでね。誕生日会って盛り下がらないでしょ?だから皆さん、過剰に盛り上がってください」



最初に登場したのはGt.オカモトコウキ
歓声の中キーボードに向かい、おもむろに弾きだしたのは、映画の大ヒットに伴いさらに私たちの耳に馴染んだあのメロディーだった。

QUEENのカバーで『ボヘミアン・ラプソディ』。イントロを見事に弾き切り拍手が起こった後、「ママー」の歌詞を「ハマー」に替えて歌い上げると、会場から笑いが起こる。その後も替え歌でハマさんについて歌い、演奏後に「ママ〜をハマ〜って歌ったんだよ」と説明するコウキさん。

そして自身がボーカルをつとめるOKAMOTO'Sの曲『WENDY』を弾き語りで披露。
そしてスペシャルゲスト!と、ハマさんを舞台上に呼び込み2人で『告白』をコラボレーション。
ショウさんのボーカルパートをコウキさんが歌い、レイジさんのコーラスパートをハマさんが歌うこの場だけのスペシャルなアレンジに。
「レイジの声高いんだよな。俺、出るかな…」と事前に呟いていたハマさん。結果見事な音程、そしてボーカルの声量を上回る大声で、コウキさんの声、かき消していました。

ハマ「“ママ〜をハマ〜に変えました”って、説明しなくていいよ。みんな分かってるよ」

コウキ「これ思いついた時に“俺、天才だ…”と思ったの」

ハマさん退場後、色々なアーティストのベースをハマさんは弾いているので、その中から1曲カバーをします、と演奏されたのは星野源『恋』。大ヒット曲に会場は大盛り上がり。
途中、一緒に演奏しようとハマさんが登場しベースを担ぐも、「キーが違うじゃん!」と断念。踊りながら舞台袖にはけていくハマさん。



続いて、オカモトショウのお祝いコーナー。

イントロを少し弾いた後に、オーディエンスに語りかけ、そしてまた演奏へ戻る。合間にはコール&レスポンスも。いいねーとにこやかなショウさん。ゆったりとした空気の中『phantom』を弾き語りで披露。
後にハマさんが「やっぱ弾き語りツアーをやってるだけあって慣れてるよね」と称する程、和やかな空気感だった。

「キーコーちゃんの歌をしたいよねー」とコウキさんの時と同じく、ハマさんを呼び込んで2人で弾き語りをした『なんかホーリー』。
コウキさんパートをショウさんが歌うという特別感に喜びの声が上がり、満を持してベースソロをハマさんに振るショウさん。
ベースソロに湧き上がる中、突如コウキさんが“なんかホーリーペンライト”(OKAMOTO'Sのグッズ)を掲げながら舞台上を横切る場面も。

ハマ「なんだったの!?今のは」

ショウ「ペンライト振る腕が伸びきってなかったね」

今回のお面サプライズには全く気づかなかったよ、とハマさん。成功して嬉しかった、とショウさん。

サプライズが苦手なショウさん。かつてハマさん20歳の誕生日サプライズをぶっ壊してしまったことがあるという昔話に。
地元の友達が、ハマさんの誕生日に沢山の人からお祝いメッセージを貰い、DVDにまとめて渡そう!という企画を秘密裏に動かしていた最中、ショウさんがハマさんへ一言。

ショウ「あのハマくんのサプライズDVDの件なんだけどさー」

ハマ「それは俺に言っちゃダメなやつなんじゃないの?」

そして完成したDVD。嬉しそうに渡してくる友達に対して、人生で初めて演技をしたハマさん。
しかし今回のお面は本当に気づかなかった。いつ準備したの?会場入る時に貰ったの?と客席に問いかけるハマさん。

ハマ「裏もなんか書いてあんの?」

お面の裏側を舞台側に向ける観客。すると自ずとハマさんの顔が客席側に向き、その景色に客席では爆笑が起こる。

ハマ「何笑ってんの?あ、顔がそっち側に向いて笑ってんのか。失礼だよね」



最後はオカモトレイジのお祝いコーナー。
普段からボーカルを務めるショウさんや、コウキさんは弾き語りを披露したが、ドラムのレイジさんは何をするんだろう?と期待が高まる中、セットチェンジが行われている舞台上。
大きなスクリーン、そして二人がけのソファが2脚設置される。スクリーンには魚が泳ぐ水族館の映像が映し出されている。

レイジ「友達を祝うなら、やっぱカラオケっしょ」

ハマ「正気か?」

突如始まったオカモトレイジ・カラオケショー。
[Alexandros]のワタリドリでスタート。
さながらフェスの様に拳があがり、盛り上がる会場。

ハマ「みんな俺の顔を持って、ワタリドリを歌うんじゃないよ」

靖幸歌いてー!と岡村靖幸『だいすき』を歌うレイジさん。どんどん畳み掛けるレイジさんを、普段あまりカラオケに行かない3人がソファからしれーっと見つめるという構図に。“いつもこんな感じでやってるのか、レイジ…”

これでも3人に寄せて行っている方だというレイジさんに、人に寄せに行ける程カラオケの幅があるのがなんか嫌だ、と3人。

レイジ「祝うって何歌えばいい?」

ハマ「知るか!それを事前に決めて来いって言ってんだよ!」


ハマくんのお友達の歌をうたおう!と04 Limited Sazabys『monolith』

ハマ「GEN君の声出んのかよ。…あ、思ったより似てるわ」

ハマくんが好きな曲を歌います!とアンジュルム『大器晩成』

ハマ「踊れんのね」

DIR EN GREY『朔-saku-』

これは歌わせてくれー!と歌い出すも英語詞を棒読みで歌うレイジさん。

ハマ「この曲知らないんじゃん」

その後の日本語詞を全力で歌い上げるレイジさん。

ハマ「知ってんじゃん!」

弾き語りの練習をして仕上がったものを見せた2人と違って、リハーサルぶるぶる震えてたね…とレイジさんの様子を暴露するハマさん。
今日のお客さんはとても優しいから、それに甘えていたらダメだ、と諭すハマさんに、俺もそう思うとレイジさん。

置き去りになってしまった他のメンバー3人も一緒に盛り上がらなければ、とショウさん、レイジさんが楽曲提供をした関ジャニ∞の『勝手に仕上がれ』を入れると、先程までツッコミを入れまくっていたハマさんもノリノリで合いの手を入れ、やっと全員で盛り上がれる形に。

最後に湘南乃風純恋歌』を歌い出すレイジさん。

ハマ「この人歌詞を見ずに歌ってますからね」

会場中を練り歩いて歌い、音楽を止められても尚、大熱唱を続けるレイジさん。

レイジ「おまえは俺のために、なのに俺は俺のため♪」

ショウ「ほんとそうだよねー」

ボーカル、ギター、ベース、それぞれのパートのポジションにスタンバイする他メンバーの間を、尚も歌いながら練り歩くレイジさん。

ハマ「お前はドラマーだろ!?」

レイジ「きっと♪」

ハマ「きっとじゃなくて、絶対ドラマー!」


やっとレイジさんが座り、ドラムを叩くと、第2部バンドパートでのライブがスタート。

『HAPPY BIRTHDAY』から始まり、最近ライブではご無沙汰だった『SEXY BODY』、『Let's Go! Hurry Up!』と続く。
先程までの楽しいおふざけモードとは一変。纏う空気感、圧倒的な格好良さ、音の重さ、バンドOKAMOTO'Sに一気に痺れてしまった。

ハマ・オカモト生誕祭ということで、ライブの選曲はハマさんが担当。
好きだけどバンドで演奏するのは8年ぶりと
2ndアルバム『オカモトズに夢中』に収録されている『Midnight Icecream』を披露。
ショウくんが腰を振って歌っているのを見ると、昔のOKAMOTO'Sはそんなんだったて思い出すね、というハマさんの一言から、楽曲もスタイルも10年で進化してきたことが垣間見えた。

どういう風に紹介したら良いのか…というショウさんの言葉と共に披露された『The M Song』。
かつて、昔のメンバーへの恨み辛みを込めて書いたというこの曲は、ハマさん曰く「指がちぎれそう」な程テンポが早い。
演奏後、俺らも年とったねー、28歳だもんね。若い頃はこの曲叩いても全然平気だったのに…でもいつもよりテンポを上げてできた。ゆっくりするとダセェから、とレイジさん。
カッコいいか、ダセェか。そんな選択の軸でOKAMOTO'Sが進んで来たからこそ、この追随を許さない“カッコよさ”があるような気がした。カッコいい。たまらん。

最近の曲もしようと、披露された『うまくやれ』。途中で違うアレンジをいつもはするんだけど、今日は僕の好きな歌をカバーします。というショウさんの前置きの後に披露されたカバーは、星野源『SUN』。この日だけのスペシャルアレンジに歓喜の声が湧く。

続く『Beek』にて、ハマさんのベースソロ。いつもより長い、まだ長い、続く。ベースソロがまだ続く。
「いつもはこちら側の人にしか見せれないから、こっちの人にも見せてあげてよ!」というショウさんの言葉により、下手から上手に移動し、ベースソロを披露するハマさん。
「まだまだ弾いて欲しいベースが沢山あるんだよ!」とコウキさんがベースを持ってスタンバイ。ベースを持ち替えてさらに続くベースソロ。そのまま、ハマ・オカモトのベースコレクション紹介に突入。

ポールマッカートニーモデルを握り、ビートルズ調のメロディを弾いたり、クイーンのジョンディーコンが持っているベースを担ぎ、『Another One Bites The Dust』のリフを奏でたり…
上手、下手に次々と準備されるベースを、上手から下手、下手から上手へと走り回り持ち替えながら披露するハマさん。

10年ぐらい探していてやっと手に入れたというロケットベースを初めて人前で弾いたり、コミックバンド・四星球が段ボールで作成しプレゼントしてくれたベース〜フラワーカンパニーズ・グレート前川モデル〜を掲げたり、通常ではお目にかかれないような貴重な姿も。

「俺たち詳しくないから〜」と他のメンバーがおどけ、最後に渡されたギターにも「これギターじゃねえかよ!」とツッコミつつ見事に弾いてみせた。それに対抗心を燃やしたコウキさんが代わりにベースを弾く。ハマさんがベースに持ち替えてその音に応え、ハマ vs コウキのベースバトルに。

レイジ「俺のカラオケを“何してるんだ”って言ってたけど、自分のコレクションを披露するなんて、やってる事一緒だよ。やっぱり俺たち気が合うんだな」


いつものライブではリリースツアーで、どうしても新しい曲を真面目にしたくなる。でもこんな機会だからこそ、いつもはなかなかできない古い曲を演奏できて良かった。
でも新しいアルバム『BOY』からもさせてくださいとショウさんが語り『Dreaming Man』を披露。

ハマ「ここまで来るとDreaming Manを普通にやったことにびっくりするでしょ?」



拍手喝采のアンコールに迎えられ再び登場するメンバー、とカラオケのセット。
『WANNA?』のカラオケを全員で歌い上げてからの、バンドの生音へと移行。
楽しげに騒いだ後に、ゴリゴリのバンドサウンドにシフトチェンジ。今日のライブの総括のようでした。粋だ…

我々からお知らせがあります!と、4月6日(土)の全国ツアー開始と共にリリースされる公式アプリ『オカモトークQ』の告知が。
ここでしか見れない動画やコンテンツがあり、今日の舞台裏から既にカメラが入っているというお知らせに、客席から喜びの声があがる。

そんな嬉しいお知らせと共に、最後にもう一度ハマくんを祝おう!と、再び『HAPPY BIRTHDAY』を披露。
曲の最後、マイクをハマさんに向けるショウさん。ハマさんの「明日もまだ愛してくれるかい?」という歌声と共に幕を下ろした。



ライブ終わり。
せっかくなので観客全員と写ろう、と舞台上から写真を撮る一幕も。「ハイチーズ!で撮るからねー!」と観客に声をかけるショウさん。

カメラが向くと…

ショウ「3.2.1!!」

ハマ「先程ハイチーズだって言ったじゃんかよ。天然が出てるねー。ハイチーズ!!!」



初めて聴いたOKAMOTO'Sの曲は『ラブソング』でした。曲に加えてMVも素敵で、あ、好きだわこのバンドと直感で思いました。
初めて行ったOKAMOTO'Sのライブは、くるりとのツーマン。これもそういえばなんばHatch公演。
なんというか。圧倒的なオーラに度肝抜かれました。この人達カリスマなんだな…と思った。

そのあと他の曲も沢山知って行って、どんどん好きになっていったんですが…
失礼ですが、歌詞がなぁ。あまり共感がないというか。でもそれはやはり“カリスマ”だからかな、と勝手に解釈していました。

しかし『BROTHER』以降に突如現れた哀愁と季節と生活感というか。急にカリスマが「うわ、なんか近くに来た…!」
OKAMOTO'Sの曲が生活に根ざした様に感じました。

そうなりゃもう、なんか最強ですよね。
今回のイベントも、きゃっきゃと楽しそうなOKAMOTO'S。流れるように移行したばちぼこ格好いいバンドOKAMOTO'S。
両方楽しめて、大好きが深まりました。

そして改めてハマ・オカモトさん。おめでとうございます!
ハマさんのベースを聴いた事が、全く音楽の知識の無い私がリズム隊に興味を持ち始めたきっかけでした。
OKAMOTO'Sはもちろん、他のアーティストのライブでも拝聴する機会が増えてとてもとても嬉しいです。これからもずっときっと1番好きなベーシストだと思います。

やっぱ好きです、OKAMOTO'S。
次のツアーも楽しみでしかない。

【セットリスト】

オカモトコウキお祝いコーナー
1. ボヘミアン・ラプソディ(QUEENカバー)
2.WENDY
3.告白(withハマ・オカモト)
4.恋(星野源カバー)

オカモトショウお祝いコーナー
5.phantom
6.なんかホーリー(withハマ・オカモト)
7.DOOR

オカモトレイジお祝いコーナー(カラオケ)
8.ワタリドリ/[Alexandros]
9.だいすき/岡村靖幸
10.monolith/04 Limited Sazabys
11.大器晩成/アンジュルム
12.朔-saku-/DIR EN GREY
13.勝手に仕上がれ/関ジャニ∞
14.純恋歌/湘南乃風

バンドライブパート
15.HAPPY BIRTHDAY
16.SEXY BODY
17. Let's Go! Hurry Up!
18.Midnight Icecream
19. The M Song
20.Are you happy?
21.うまくやれ
22.Beek
23.Dreaming Man
24.90'S TOKYO BOYS

en1. WANNA?
en2. HAPPY BIRTHDAY

歯。

事の発端は会社にて。
同僚との会話がきっかけだった。


私の同僚には、歯列矯正をしている人が何人かいる。
定番のワイヤータイプだったり、それを表でなく歯の裏につけていたり、ワイヤーではなくマウスピースでしていたり、最近の矯正は色々種類があるらしい。
食事の度にマウスピースを洗浄したり、歯への着色を避けてカレーを控えたりなど、話を聞いていると否が応でも、歯列矯正の知識が増えてくる。
同僚が放った“口の中で中古のプリウス飼っている”という、歯列矯正に対する独特のフレーズもめちゃくちゃお気に入りです。

小さい頃、確かにワイヤーを歯につけている友達がいたが、何も気に留めた事がなかった。それを歯列矯正だと認識もしていなかった気がする。
矯正を始めたきっかけを同僚に聞くと“歯並びがコンプレックスで、写真を撮る時に口を開けて笑えなかった”とのこと。
そうか。そんなに色々悩んで矯正を始めるのか…とちょっとしみじみとしていたところに一言。


「ばるんばなら、矯正1年ぐらいで終わるんちゃう?」


……ん?
え?私も矯正した方がいいの?


「前歯のすき間ね。綺麗にしまりそう」


何故だろう。
27年生きていて、一回も気に留めた事がなかったけども、自覚すらなかったけども

私、前歯すきっ歯らしい。
えええええええええええええ。


そうなんや…私、すきっ歯。
一度指摘をされるとすごく気になって来るもんです。
ということで、歯のクリーニングに行った時、歯医者さんについでに矯正の事も聞いてみた。
あくまでも、クリーニングのついでという軽い気持ちで。

歯医者「舌で前歯押す癖があるね。このままだと、将来すきっ歯出っ歯ババアになるよ」


…ちょっと待ってくれ。
すきっ歯という事実を徐々に受け入れ始めた人間に、出っ歯とババアを重ねてくるな。
なんやその音だけ無駄にポップな、トリプルパンチ。急に悲しい。めちゃくちゃ悲しい。

いくら「あくまでも今日はクリーニングに来た」と伝えても、延々と矯正の話を聞かされました。
何だか悔しくなり別の病院に変え、その歯医者さんに“すきっ歯出っ歯ババア事件”をやんわりと伝えました。

凄く気を使ってくださったのでしょう。
クリーニング中にも、特にすきっ歯には触れず。しかし、私は聞き逃さなかったぞ。
歯医者さんから吐息の様に漏れた一言。

「はあ…前歯しめたい(小声)」

私のすきっ歯。歯医者さん心をいい感じに、こちょこちょくすぐる具合の様です。言うの我慢してくれはったんやなあ。ありがとうございます。
ちなみに虫歯になりにくいという何ともめでたい体質らしく、治療したのも過去に1本だけという嬉しい報告も貰いました。
わーい。やったるぞ、8020運動
今まで無自覚だった分、そんなにコンプレックスでもないすきっ歯。てな訳で、矯正も一旦保留ですが、歯が口の中で徐々に動くって面白そう。いつかやりたい。


2018年。
今まで27年間聞かなかったすきっ歯を、まとめて一斉に耳にした1年でした。
こんなに固まるかね?そして今まで歯列に、こんなに無自覚やったのはなんで?


という話を2019年始まり、実家に帰ってしていたら、姉から一言。

姉「分かるわー。人間みんな前歯すきっ歯やと思ってたもん」

見せて貰ったら、姉もすきっ歯。母はしっかり閉まっていました。
そして父、私の歯とそっくりすぎる作りのすきっ歯。

父とは顔もあまり似てなくて、ほぼ母親寄りやと思っていた自分。
こんなところ遺伝しとったんかい。
私、確実にあなたの娘じゃい。

実はすきっ歯ファミリーやった事が発覚。
育って来た環境か。気付かんもんですね。


そういえば最近ワイヤレスイヤホンを買ったんですけど、それまでワイヤレスイヤホンはAirPodsしか市場に出ていないと思っていた。
いざ自分が買うのに色々調べて知識がつくと、街中を行き交う人のイヤホンがとても目に付く。びっくりしました。めっちゃ種類あるし、もはや有線の人の方が少ないやん。


無自覚?灯台下暗し?
そんな感じで、2019年も今まで気付けていなかったこと沢山知れたら嬉しいなと思います。
本年もどうぞよろしくお願いします。

ありがとうございました。

お笑い、音楽、文章を書くこと。

好きなことを尋ねられたら、この3つが最初に頭に浮かびます。
お笑いや音楽は「誰が好きなの?」等、話が広がれば答えられますが、“文章書くことが好き”に関しては、人に上手く伝えられる気がせず、あまり口に出すことはなかった気がします。

文章書くの好きって言うても、私は何もしていない。

昨年末、“好きなのに何もしていないのは訳が分からん”と、このブログをこっそり始めました。
何だか恥ずかしくて誰にも見せずひっそりと書いていましたが、人に読んで貰わないと意味がないのでは?と、自分のTwitterFacebookにも、このブログを載せるようになりました。
結構勇気が要りました。初めてTwitterブログ連動した日、緊張しすぎて寝付けんかったなぁ…笑

今年一年。
「ブログ読んだよ!」と声をかけて貰えたり、ありがたくも書いた文章を好きだと言って貰えたり、嬉しい出来事が沢山ありました。

ロックバンドのライブレポートが多めでしたが、全くロックを聴いたことがない様な方から「興味が湧いた」と言って貰えたり、「何かを難しくじっくり考えたくなったら、このブログを読んでいる」と言って貰えたり「文章書くの上手いと思うから手伝ってほしい」と、他人の文章を添削させて貰ったりもしました。
グッときました。本当に嬉しくて、何度も思い出しては噛み締めています。

好きなんやったらぽんぽん書けるだろうと初めは思っていましたが、いざ書こうとすると全然浮かんでこなくて、結局偉そうに書いたと言っても、たかが知れている投稿数でしたが、それでも「文章書くのが好きってどういうこと?」と聞かれたら「ブログで文章を書いています」と言える様になったのは、少しだけ前進なのでは、と思っています。

でも全く満足はしていなくて
“文章書くのが好きで、それをこれからどうしていきたいか?”

毎日の様に頭に浮かんでは消え、結局今年中に答えは出ませんでした。何一丁前にに悩んどんねんという思いもありましたが、でもこれからも毎日うんうん悩み続けていくと思います。

お笑い好き。音楽好き。文章書くのが好き。

別にお笑い好きじゃなかったらM-1見ながら感情的になって泣いたりしないだろうし、別に音楽好きじゃなかったら、ライブに行って凄まじいパワーにあてられて“自分は何してんねん”と凹んだりしないだろうし、文章書くのが好きじゃなかったら、こんなにも毎日悩んだりしなかっただろうし。

何も好きではない人生の方が楽やったんかなと思ったりもしますが、それでも凹んでも面倒でも悩んでも、好きなことがあってよかったと思える一年でした。

本当に拙い文章です。
それでも読んでくださった方々、興味を持ってくださった方々、本当にありがとうございました。
来年も、よろしくお願いします。

2018/10/28 ナードマグネット「だいだっそうツアー」@梅田Banana Hall


NEW SINGLE『FREAKS & GEEKS / THE GREAT ESCAPE』発売記念で、9月からツアーを回っていたナードマグネット。
そのファイナルであり、かつワンマンライブが、大阪・梅田Banana Hallで開催された。

開催5日前には、よしもとの漫才コンビスーパーマラドーナがゲスト出演することも発表された。
かねてからVo/Gt.須田と、スーパーマラドーナ・田中の顔が似ていると言われており、スーパーマラドーナM-1グランプリに出場した際には「須田さん、M-1出てる…?」とSNSが話題騒然だった程。
そのスペシャルな組み合わせにも期待が高まり、チケットはソールドアウト。会場には沢山の人が集った。



須田「みんなが思ってることは分かる。いつ出てくんねんやろ?て思ってるよな。スペシャルゲスト発表して、取り置き50枚ぐらい増えるのなんやねん!
とりあえず俺らのワンマンやから一旦忘れてくれ!大阪のパワーポップ代表、ナードマグネットです!」

そんな雄叫びを皮切りに、ライブがスタート。

『ばくだんベビー』から始まり、Ba.前川のイントロソロが心地よい『C.S.L』、手拍子で会場中の息が揃った『(Let Me Be)Your Song』など、新旧問わず、立て続けに6曲が披露される。
Dr.秀村は早くも顔を真っ赤にして汗だくだった。

何年か前に好きになった曲、最近好きになった曲。幅広く、出し惜しみなく、好きな曲がこれでもかと言わんばかりに続く。ああ、ナードのワンマンなんだな、となんだかとても嬉しくなった。



ファイナル・ワンマンということで、OPのVTRもこれまでのツアーを振り返る写真で構成された物に。
しかし今回のツアーは台風の影響で、9/30の名古屋公演が延期となった。想いだけでも共に、と関連するTシャツを着る須田さん。(何のTシャツかは聞き取れずでした…)


須田「普段は自分たちのグッズはライブで身につけないんだけどね。街中で“あ、ナードのグッズや!顔見たら本人や!”てなるやん?なので普段は寝巻きにしています」

「火事で助けられた時も、自分らのグッズのTシャツ着てたな」とGt.藤井がかつて自宅が放火被害に遭い、窓から救出される映像が全国ニュースで流れた須田の事件を取り上げる場面も。
あのニュースで大体自宅の位置特定できただろうに、変なストーカーも生まれず、本当にいいお客さん達だ、と須田。


振り返ると日曜の公演が多いツアーだった。
明日も何食わぬ顔して会社に行きます。
今日スカスカだったら明日、体調悪いと言って会社を休むところだった。ソールドアウトです。ありがとうございます。
ここから1時間半、よろしくお願いします!

バンド活動をする傍ら、平日は一般の会社員として仕事をしているナードマグネットの面々。
本日会場に来ていたお客さんも、恐らくほとんどが既に社会に出て働いている年齢層だったように思う。
明日からまた1週間…と憂鬱な気持ちを抱えてしまう日曜日の夜。
分かると同調しつつ、ステージ上から客席へ、そして客席からステージへ。
明日から頑張ろうな、その代わり今めちゃくちゃ楽しもうな!と投げ合えるのは、ナードのライブならではの様な気がした。



ワンマンなので普段はあまりしない曲をします、と『チェイシング・エイミー』が始まると、会場の至る所から喜びの声があがった。
『DUMB SONG』でしっとりとした空気になったかと思うと『いとしのエレノア』で会場のボルテージがまた一気にあがる。

ロディアスな音を鳴らしながら、身体のアクションや、顔の表情もどんどん大きく、かつどんどん豊かになっていくGt.藤井。
全身から音が鳴っているみたいだった。



「かわいい代表でーす」
前川がそう口にすると、会場中からかわいいー!と歓声があがった。
今回のライブに向けて、SNSで #わたしとナードマグネット というハッシュタグをつけて、オーディエンス自身とナードマグネットの想い出を募った企画、本日会場には想い出を書き込める年表を用意、仲の良いバンドマンが個々に年表を書いてくれたこと等を説明。
そしてSNS上でハッシュタグをつけて呟いた方の中から1名には「謎の権利」が授与された。

前川「いつもライブが始まる前、メンバーで円陣を組んで掛け声を出すんですけど、その掛け声を決める権利でした。
そして決めてもらった言葉は“エクストリームファイヤー”」



この曲を知っている人は友達です。来月心斎橋JANUSでハイタッチしましょう、とASHのカバー『Girt From Mars』を披露。
『ウェンズデイ』、『恋は呪い』と続くと、堰を切ったように、観客がステージに詰め寄りフロアの熱気が、爆発的に上昇した。

須田「新曲をしれっと放り込んでやったぜ。
新曲しますっていうと、みんな身構えるでしょ?ただでさえこっちも緊張してんのに」

と、新曲が披露されたことを報告。
カバーとか新曲とかすみません。ここからはみんなが知ってる曲をします、とアッパーチューン『BOTTLE ROCKET』『アップサイドダウン』と続くと、全員があげているのでは?と思うほど拳を突き上げて応えるオーディエンス。

「今日一人で来てる人?」という須田の問いかけに、結構な数の手が上がる。
おるよな、おるよな?無理にこの場で、仲良くなろうとしなくてもいい。君と俺が繋がってたらそれでいいやん、という語りの後の『プロムクイーン』

SNS上でよく見かける“邦ロック好きで繋がろう”というタグが嫌いだと言う須田。
狭い世界しか見ず、無理に人に合わせず、自分が良いと思った音を楽しんでいったらいい、そしてナードを選んだ人に本気で音を届けている。
そんな風に勝手に解釈してグッと来てしまった。



今回のレコ発でもある新曲『FREAKS & GEEKS 』。曲中のブレイクが格好いい、と思っていたら、ブレイクの最中、時が止まった様に動きが止まり固まるナードマグネット。そして暗転。
ステージ上にサンパチマイクが設置され…
ついに登場、スーパーマラドーナ
大きな歓声が沸き起こった。



こんなに盛り上がりが凄いと思わなかった、と武智。ネタ途中、フリーズしている須田に絡みに行く田中。

田中「ほんまに似てるな!おーい。笑えー!真似すんなー!俺ら芸歴15年、お前ら12年。ジュース買ってこい!」

曲中にネタを見るという、何とも贅沢な瞬間だった。スーパーマラドーナがはけると、会場中に巻き起こる“田中ー!”のコールで、ナードの動きが復活。

須田「時が止まっていた間に何があったん…?いや俺、須田や!今日おかんも来てんねん!」

まだまだ曲の続きやねん!と『FREAKS & GEEKS 』の続きを搔き鳴らし、締めくくった。




アンコールが巻き起こるか、という時に会場のモニターに流れるVTR。

そこには新章開幕!と
来年6月・2ndアルバムリリース
来年8月・大阪野音での主催フェス開催の、嬉しすぎる発表が。驚きと喜びの歓声が上がる。




須田「来年からの計画、未定やからな?
どうなんねんやろな。1年前のこの頃、とても病んでいて、ついこの前も病んでいた。
今日ここに来てくれている人は、チケット代を払って来てくれているから、言うのもなんだけど、来てくれて、俺が救われている。俺にはこれしかない。
おかんごめん!結婚はまだまだ先になりそうやわ!」



学生時代、須田が好きだった“THE WELLINGTONS”来日ツアーを一緒に回れた喜びを語り演奏されたカバー曲。
12年も続けていると会えなくなってしまった人も増え、そんな人たちを想って作ったと『MISS YOU』を披露。


邦ロック好きで繋がろう。
邦を付けてしまうだけで、俺らが大好きな海外の仲間が排除されてしまうことになる。
それが嫌だ!ロック最高!音楽最高!で、なんでダメなのか!アホか!
邦ロック好きタグをぶっ潰すまで、これからもやり続ける!

そんな熱い言葉に、今日一番の歓声が沸き起こった。



「この曲はみんなのもの」と前置きをして、ラストに『Mix Tape』が鳴らされた。

“ああ、この夜は僕らのもの”

そんな歌詞が、この場にいる全員の総意の様に聴こえた。

最後は再度スーパーマラドーナが舞台上に登場し、全員で集合写真を撮影。
田中さんから授けられた、須田さんの「ありがとうございます・だ!」のギャグで幕を下ろした。



青春ど真ん中な歌だ。
初めてナードマグネットの曲を聴いた時、そんな事を思った。大好きになり聴き続け、そして本日初めてワンマンライブに行くことが出来た。

青春ど真ん中を思い出す曲やバンドは正直沢山ある。しかしナードの曲は、青春の想い出に戻らなくてもいい。懐古しなくてもいい。
青春だが、今いる自分に真っ直ぐ突き刺さる、そんな特異な音楽だと勝手に思っている。

今まで行っていた対バンライブと比べ、個人的に至上最高に沢山ナードの音を浴びれた日。
だいすきや!が溢れて仕方なかったです。

明日からもこれで頑張る。
また頑張れます。
そんなライブでした。
ありがとうございました。


【セットリスト(公式Twitterから拝借)】
1.ばくだんベビー
2.pluto
3.C.S.L
4.イマジナリーフレンド
5.(Let Me Be)Your Song
6.海辺のルーシー
7.チェイシング・エイミー
8.DUMB SONG
9.いとしのエレノア
10.ラズベリー
11.Girt From Mars
12.YOU & I
13.ウェンズデイ
14.恋は呪い
15.ルーザー
16.TRAGICOMEDY
17.COMET
18.BOTTLE ROCKET
19.アップサイドダウン
20.プロムクイーン
21.FREAKS & GEEKS
22.MISS YOU
23.アフタースクール
24.THE GREAT ESCAPE

en1.Song For 2ac & kate
en2.Keep Me Holding on
en3.MixTape
en4.ぼくたちの失敗

2018/9/28 KUSEMONO ONSEN~NEET IS BACK!~@梅田Banana Hall

大阪の名物イベンター清水音泉

意外な対バンを組んだり、今回も然りだが「なんだそれ!?」のイベントタイトルをつけたり。独特の演出、予想できない数々。

そして一番の魅力は中で働かれている人が透けて見えているところだと思う。(実際社員さんがSNSをしたり、開演前の前口上をしたり。有名人多いです。)

清水音泉“というまるで一つの人格があるかのように、愛嬌が溢れている点は唯一無二だと思う。

関西中、いや今や全国中にその魅力にはまるファンがいるイベンターだ。

 

その清水音泉が手掛ける夏の一大イベントである“OTODAMA〜音泉魂~”。出演するバンドのファンはもちろんの事、OTODAMA自体のファンも多い。

かくいう私もOTODAMAが大好きで、毎年参加を楽しみにしている。周りの仲良くしてくださる方々もOTODAMAファンが多く、また出ているバンドも毎年驚く程好きな方々ばかり…

正月や盆で親族が顔を合わせるかの様に、毎年9月にOTODAMAで好きな人たちと一気に顔を合わせる。そんな人は私だけではないはずだ。

 

しかし今年のOTODAMAは、残念ながら台風の影響で中止。(これを書いている今も、台風の直撃に備えているところです。今年どうなってるんだ)

そんな中、開催された“KUSEMONO ONSEN”

無念を晴らすかのごとく、月末の金曜日に梅田の地下に集まる人々。会場内には仕事帰りと思われるスーツの方や、今年のOTODAMATシャツを身に着ける方も。ステージ上には赤と青の「ゆ」と書かれたのれんが。ああ、清水音泉だ。

 

 

入浴宣言として、最近お久しぶりに復帰をされた例のあの人が、OTODAMAでトリを務めるはずだったSuchmosの音楽にのって登場。NEET IS BACK!毒舌ぶりはご健在でした。お帰りなさい。

色々ご事情があっての出演だった様で詳しくは書けませんが…書いてもいいんかな。アイコラ写真をSNSに載せて謹慎期間が半年延長になったという話はめちゃくちゃ笑ってしまった。

 

 

先に登場したのはPOLYSICS

一曲目『カジャカジャグー』からスタート。待っていましたと言わんばかりにはやくもフロアは大盛り上がり。あっという間に会場の温度が急上昇する。

そして『Let's ダバダバ!』とキラーチューンが続く。ハヤシ(Vo/Gt)がフロアにダイブし一人一人にマイクを向けると、オーディエンスは「ダバダバー!」と応える。

ヤノ(Dr)のキメで会場一体“ダバダバ”の声が揃い、盛り上がりがピークに達するいつもの流れがあり、今回もそのタイミングでモッシュが起こった。

しかし本日はフェスや土日のライブとは違い、ライブTを着た如何にも“騒ぎます!”の方だけでなく、仕事帰りだと思われるスーツやオフィスカジュアルな格好の方々も、我慢が出来なくなったかのように、盛り上がるフロアに飛び込んでいく光景はなんだか痛快だった。

 

ハヤシ「Banana Halに合わせて、黄色のツナギを着てきたよー!」

2007年に一度閉館し、その後2017年に復活をした今回の会場であるBanana Hall

かつてのBanana Hallを「ステージと客席の間に樽があって、そこに乗ってね…」と以前ハヤシが語っていたのをふと思い出した。Banana Hallで久しぶりにライブができて、嬉しそうに見えた。

 

また今回入浴宣言をした方とは謹慎中も連絡を取り合っていたそうだ。

ハヤシ「久々に会ったら以前より太っていてびっくりしたよ。ちゃんと反省した?」とイジりつつも、ハヤシが好きだという彼のチョコレートのギャグを披露する場面も。

 

フミ「なんか今空気が冷やっとしたね」

客「ハヤシもっかいやってー!」

ハヤシ「絶対しねーよ!」

 

KUSEMONO ONSENと題された今回のイベントに沿って「久しぶりにします!」と演奏された『LOOKIN' LOOKIN' GAA』に喜びの歓声が起こる。

そしてラスト『SUN ELECTRIC』。イントロの音。ゲームを起動し、RPG上での冒険が今からスタートするようなワクワク感をいつも覚える。

「飛べ!」と叫ばれた後に続く「Are you ready? I'm OK!」には、いつも“まだまだお前もやれるだろう?やろうぜ!”と鼓舞されているような気持ちになり勝手にグッと来てしまう。

ライブが終わった勢い・フロアに充満した熱気をそのまま残し、POLYSICSは去っていった。

 

 

 

続くニガミ17才。

ニガミいいで、めっちゃいいでという話を聞きつつも、ライブを見に行けず、曲も「ネコ」って途中で言う曲はちょっと聴いたことがある程度だった。

 

“ニガミ17才って一体なんなんだ?”

 

曲に合わせお立ち台に乗るメンバー四人。

岩下(Vo/Gt)が他の3人を歌いながら紹介する中、平沢あくび(syn)は腕に蛍光のブレスレットを付けながら、ステージ上を踊り狂う。独特な雰囲気に早くも釘付けになる。

そして演奏がスタートする。

ギター、ベース、ドラム、シンセ。POLYSICSと構成は似ているのに、先程とは空気が一変した。熱気が引いてクールダウン。しかし盛り下がるのではなく、ポップな音にのせて怪しい空気が徐々にじわじわ渦巻いてくる感じ。

ポリのビールを皆んなで一気飲みする宴会の様な一体感がある盛り上がりに対し、ニガミはグラスを片手に各々が好き勝手にのるクラブの様な、そんな違いがある気がした。

天井で回るミラーボールがその雰囲気を助長させていた。

 

岩下とあくびが向かい合ってペットボトルの水をぐびっと飲み始まった『おいしい水』。続く『ねこ子』では、あくびが鼻セレブをフロアに踊りながら撒きちらす。

曲。格好よすぎるビート、怪しい音、気持ち良いタイミングで鳴るシンセ、まくしたてるように早口の歌。

めちゃくちゃ格好いい!すごい!でも何?なんで鼻セレブ…!?

 

岩下「…鼻セレブ無料ですからね。どうぞ」

戸惑いを一蹴するかの様に岩下がさらっと言うと、鼻セレブで鼻をかむあくび。

先ほどの曲や演出の衝撃と対極のゆるいMC。思わず力が抜けてしまった。

 

岩下「KUSEMONO ONSEN。曲者…敵って思われてるということ?」と今回のイベントのコンセプトに触れながらも、ライブが進むにつれ敵どころかフロアでのったり、揺れたり、踊ったりする人々がどんどん増えていった。魅了され巻き込まれ、味方が増えていくフロア。

 

そして最後の曲。素人目に見ても難解なことがビシビシと伝わってくる。 

岩下「この曲五拍子なんだよ…のりにくいでしょ?」と曲を突如止めると、あくびがクラップを求め、オーディエンスがそれに続く。

仕事終わりにスーツを着ながらこのリズムを刻む。こちらの音楽の世界に来い!と煽りながら

岩下「君が叩いているのは一拍子。この曲は五拍子。これからこの曲をもっとノリやすくする為に四拍子にします」と言うと、小銭(Dr)とイザキ(Ba)のリズム隊が刻む音が突如四拍子に変化。

その後も五拍子、四拍子を行ったり来たり、ロックからボサノバ調に変化したり。圧巻だった。

 

岩下「このままアンコールに入るんでしょ!わかってるからアンコールって声要らないよ!」と、そのままゆるっとアンコールに突入。

もう一度この場だけのオリジナルアレンジで『おいしい水』をしようとオーディエンスも巻き込んでアレンジを相談していく。

先程のライブの勢いが全部止まり無くなる程、事細かに、丁寧に、長い、打ち合わせが、とにかく長い…。自由すぎて思わず笑ってしまった。

 

あくびが演奏しながら歌うパートが出来たり、岩下がベーシストより向いていると思うイザキの職業を叫んだ後に(「ウエディングプランナー!」)ベースソロを奏でたり、本日の出演者を歌詞に絡めたり、(「TOISU!」「興味あるー!」「闇営業!」)自由自在に音をオーディエンスを操り、イベントを締めくくった。

 

曲もMCもライブも変則的で予想ができない楽しさ。格好よかった。そして最後の曲の変拍子等の解説を交えたパフォーマンス。難解に技巧的に音楽を作っているはずなのに、オーディエンスを置き去りにせず、ゆるっといざなう姿に魅了された。

ニガミ17才ってなんなんだ!?とライブを見始めたら、音楽ってなんなんだ!?というより広い範囲の答えが返って来た気がした。

音楽。ややこしいことしてるけど、難しいことしてるけど、分からないかもしれないけど、でも楽しいでしょ? 

 

 

オープニングアクトで超能力戦士ドリアンも出演されていたのですが、月末の金曜日。がっつり残業をし、間に合いませんでした…。残念。

 

KUSEMONO ONSEN。曲者ではなく“癖物”やったんかな、きっと。

大好きなPOLYSICSも、今回で衝撃を受けたニガミ17才も、癖はあるけど一度聴いたら中毒性があり、どっぷり浸かったらもう他には替えが効かないというか。そんなバンドともっと出会えるのであればKUSEMONO ONSEN是非とも続いてほしいイベントだと思いました。

そして来年こそはOTODAMA。無事開催できますように。

 

しかし台風、まだ来ないな。本日も無事終わってくれ。